選択議定書の批准問題について

神奈川ネット鎌倉の学習会に参加しました。国連女性差別撤廃委員を10年間務め、2023年からは市川房江記念会女性と政治センター理事長である林陽子氏を招いて「女性の政治参加をめぐる今日的な課題」について講義をいただきました。

1980年女性差別撤廃条約(以下条約)に合わせ、男女雇用機会均等法や国籍法など国内法が整備されました。1985年日本政府は条約を批准し、1999年条約の実効性を強化する付属条約として選択議定書が国連総会で採択されました。条約に締約国189カ国、同条約の選択議定書締約国は115カ国です。条約を批准しながら、選択議定書に批准しないと言うのは、法律はつくるが遵守しないと宣言しているようではないでしょうか。ちなみに、OECDの加盟国で条約の選択議定書を批准していないのは、日本、イスラエルなど数カ国のみです。

国連女性差別撤廃委員会からの指摘事項は、皇室典範、民放、刑法、刑法堕胎罪の撤廃など多岐にわたります。2024年10月に新しい勧告が示される予定です。国の法律を国際法の基準にどこまで調和させられるか注目されます。世界では、意思決定機関である議会において、3割ではなく男女同数のパリテ議会を目指し、法改正が進んでいます。まったなしの人口減少社会の到来を見据え、共生社会を目指すうえでは、パリテ議会で多様な意見を吸い上げる政治が必要ではないでしょうか。国の動きを待っていられない今、選択議定書の批准について地方議会から声を上げていきます。