人権と平和を学ぶ
神奈川人権センター主催、「京都・奈良人権博物館等調査」活動に参加しました。人権の視点から平和の意義と戦争の惨禍、民族差別の現実と多文化共生にむけた取り組み、部落解放運動の歴史と課題を学びました。
(1)立命館大学国際平和ミュージアムは、世界でも珍しい大学設置による平和をテーマとした博物館です。最悪の人権侵害である戦争の惨禍と平和の尊さについて、あらためて考える機会がもてます。それもとても分かりやすい言葉で平和について問いかけます。「みて」「かんじて」「かんがえて」、そして「今、あなたが考える平和とは?」。
展示は4つにテーマに分れていて、世界が戦争へと突き進む19世紀から21世紀の現在まであります。植民地支配や戦争の歴史に向き合うことで、日本の近代の特質を理解する手がかりをつかむことができます。戦争の背景を知ることこそ、希望の持てる未来を考えることにつながります。市民こそが平和をつくる主体です。また、国際機関の条約や宣言など大きな役割を果たします。
【問い】
帝国主義(1840~1930)は「総力戦から世界は何に気づいたのでしょうか?」。
十五年戦争(1931~1945)は「戦争は何をもたらしたのだろう?」。
戦後の世界(1945~1989)は「被害の真実を語るには何が必要でしょうか?」。
現代の課題(1990~)は「世界では何が起きているのだろうか?」
(2)地域・多文化ネットワークセンターは、アジア太平洋戦争以前から多くの在日コリアンが暮らす京都市東九条地域(京都駅から徒歩10分ほど)に位置しています。多文化共生のため、交流イベント、居場所などを市から委託されている施設です。
(3)全国水平社発祥の地である奈良県御所市の水平社博物館では、ガイドによる展示資料の解説と周辺地域のフィールドワークによって、部落差別に対する人びとの闘いの原点を学びました。博物館のある場所は、「えた」として差別を受けてきた部落の歴史があり、商売を成功することで力をつけることができ活動につながっています。運動をひろげるには、時間や経済的、心にも余裕が必要であり、平和を築くための行動へつながると感じました。誰もが安心できる暮らしを続けるには、多様性を知り、多様な考え方を受け入れることのできる包摂性が必要です。地域の足元から、「平和のためになにができるか?」多くの市民とともに問い続けていきます。当日は、地元の小学生が、人権のふるさと「水平社博物館」を授業の一環として活用していて羨ましく思いました。水平社の理念である、もっとあたたかい人の世を「人の世に熱あれ、人間に光あれ」に感銘しました。仲間とともに平和を築くことが大切です。