令和5年度12月定例議会~一般質問②せっけん推進について
環境都市ふじさわ~せっけん推進について~
消費者運動の原点と言われる石けんと合成洗剤の違いについて取り上げました。単に石けんだけではなく、消費者が添加物、化粧品、日用品に疑問を持つ出発点です。
有名な運動として、1797年、はじめて合成洗剤の使用・販売を禁止した滋賀県の琵琶湖富栄養化防止条例は、草の根運動が結集して生み出した画期的なものです。
信頼できる安全性
石けんの歴史は、5000年程前の古代ローマの「サプルの丘」で生贄のヤギを焼き、滴り落ちる油と木の灰が反応した土からうまれたと言われています。対して、合成洗剤の歴史は、第一次世界大戦中ドイツで原料である油脂の欠乏により、石油を使って作られたのが始まりです。合成洗剤は100年も満たない間に環境問題や健康被害が取り沙汰されるようになりました。石けんが長い間使い続けてられているのは、環境や人に対する安全性の信頼があるからこそではないでしょうか。
市とのパートナーシップのはじまり
藤沢市では小学校給食は粉石けんで洗浄しています。神奈川県洗剤対策推進方針は、人と環境に負荷をかけない洗浄剤の石けんをすすめています。また、藤沢市石けん推進協議会の全身が1981年に発足しており、いまの名称に1991年に改称しています。1980年代、藤沢市は、せっけん推進協議会と職員が一緒になって、一字一句配慮しながら、苦情のないよう丁寧に仕上げた広報紙(図1)をつくりました。全戸11万ほど5回で配布していました。現在の活動に関する市の支援は側面的に続いています。
人と環境に負荷をかけない
下水道整備がすすんだことにより川への流失が改善されました。だからといってなんでも流していいとは言えません。浄化センターでは、なるべく微生物で綺麗に済ませることができ、塩素を多量に使わない方が良いに越したことはありません。今の環境問題を考えれば負荷をかけない暮らしが水環境を守ることへつながります。合成洗剤の原材料である化学物質が河川において検出され続けています。(図2)また、事業者はPRTR法により、対象となる化学物質の排出量・移動量を届出制度となり改善されましたが、家庭用排水は変わっていません。さらに、家庭からの届け出外排出量をみると、全体の半分以上が合成洗剤で占めています。(図3)最近まで薬用せっけんなどで多用されていたトリクロサンを含む19成分の抗菌剤は、40年近く経ってから発がん性や接触皮膚炎などの危険性がわかり禁止しました。有害性がわかるのは長い年月が必要とされるケースが多くあるのは公害問題でも明らかです。化学物質は量が少ないから構わないではなく、微量でも害があることに着目すべきです。化学物質なくして満足な生活が送れませんが、頼りすぎ曝露しすぎることで私たちの生活が脅かされることもあることを忘れてはならないのです。
行政としての役割が問われる
私たちの税金を原資に効果的かつ有効的な使い方が問われます。公共施設では、子どもから高齢者、敏感肌、化学物質過敏症であっても、誰もが使えるよう合理的配慮が必要です。
また、河川や海を守る環境問題から考えれば、使う責任の大きさはSDGSでうたわれており大変重要です。カキの産地で有名な北海道厚岸町では値引きをして石けん購入をすすめています。また、長野県佐久市では、障がい者就労を促進しながら地産地消リサイクル石けんを製造し公共施設での使用が始まりました。藤沢市では職員や教職員の選べる知識を育てること、公共施設での利用促進をすすめていきます。将来的には「ふじさわ地産地消リサイクル石けん」が生まれるよう活動を続けます。