令和5年度12月定例議会~一般質問①放射線測定器について~

市民貸出し放射線測定器の継続を求める

2023年8月多種類の放射性物質の入った処理水が海洋放出され、原子力発電所の再稼働・運転延長・新設等による原発回帰の流れは、本当に福島第一原発事故を教訓としているのでしょうか。地震大国でありながら、いまだに54基の原子力発電所がある状態です。足元から、身近な場所の線量を測れる仕組みについて考えます。

線量だけしか見えていない

放射線量測定は、東京電力福島原子力事故をきっかけとして始まりました。事故当初、市内66か所あった定点の空間放射線測定は、12年が経過した2023年3月末に防災部の観点からは終了し環境部の観点へ移行し、本庁舎敷地内1か所と海岸3カ所になりました。また、13地区に配架された市民貸出し用空間放射線測定器もすべて終了しました。理由は線量が低い数値で推移している一辺倒でした。一方で、近隣市(表1)では、環境部、防災部、市民自治部と部署横断的に行い、市民貸出しを継続し市民自身が身近な場所の放射線量測定をすることを支援しています。

 

民意を反映する議論は⁉

過去5年間の市民貸出し件数は減っていますがゼロではありません。さらに、9月には市民団体が市長へ要望を提出しています。また、決算委員会ではメンテナンスコストがかかると言っていましたが、答弁からコストはかかっていないことがわかりました。直近の貸出し件数を把握しきれていないタイミングで全終了を決めることに違和感があります。故障していない30台(1台9万円ほど)の測定器は倉庫に眠っており、市にとっては埃のような金額かもしれませんが、庶民にとっては簡単に買えない大切な公有財産です。貸出窓口を減らし事務負担を軽減するなど、計測できる機会の確保を要望しました。

【豆知識】藤沢市は、チェルノブイリ原発事故以降、藤沢市放射能測定器運営協議会と協働して、市民から持ち込まれる食品や土等の放射能測定を実施しています。安全を守るために市民の活動により取り組みが始まりました。市民活動が重要であるのは、2003年珠洲市の原発建設を断念するに追い込んだ経緯をみてもわかります。

 

表1 各市HPより

自治体名 貸出し箇所 貸出期間
鎌倉市 2か所 9~16時
茅ヶ崎市 4か所 1週間
平塚市 1か所 翌日まで