山川菊栄ドキュメンタリー映画会
「姉妹よ、まず かく疑うことを習え」〜村岡に縁のある山川菊栄の思想と活動〜
なぜ女性は生きづらいのか…女性解放史を学び、呪縛を知ろうコロナ禍の今だからこそ観ておきたいドキュメンタリー
3月国際女性デーにちなみ、3月19日谷津えみと仲間たち主催によって「姉妹よ、まずかく疑うことを習え」を上映しました。山川菊栄氏は、1890年東京生まれ、亡くなる1980年まで藤沢市村岡に住んでいた批評家・婦人問題研究家です。また戦後初の女性労働局長です。山川菊栄記念会事務局長、元高校教諭である樋浦敬子さんから解説・質疑応答の時間もあり、熱気に包まれた上映会になりました。
「なぜ、女性は生きづらいのか」コロナ禍のいま浮き彫りとなった女性の呪縛について、山川菊栄氏の鋭い理論的な男女問題への視点が全く古さを感じることなく、今を生きる女性たちの胸に突き刺さりました。そして、資本主義の「社会のしくみ」が、私たち女性を縛っていることに気づかされます。
女性が人権を持つことは社会の進歩です。国の体制による女性利用は根底にあり、労働市場から外れがち、非正規もその一つです。生産性ばかりを重視すれば役割として女性は家庭に入る方が簡単です。外と内の対立軸構造があり、競わせ対立させるのは資本主義そのものです。強くなることは、競い合うことに意味を見出しがちになるのでしょう。
具体的な政策課題は未来にしかありません。日常生活に課題があり、調査することが重要です。コロナによって、エッセンシャルワーカーなどの非生産性の職場への重要度は気づかされましたが、いまだ根強くある生産性のない職場への軽視です。報酬の評価が低いこと、ケアは誰でもできると考え、ケアをした経験のない国会議員や管理職層たちが多くいます。
終わる頃には、題名にある「姉妹よ、まず、かく疑うことを習え」の意味が深く心に刻まれるドキュメンタリー映画でした。女性たちは物事や社会を疑い考える必要があります。日常生活に本当の課題があり、具体的な生活の知恵があるはずです。
以前は江の島にあった女性センターに山川菊栄の展示や書物がまとめられていました。参加者の皆さんからは、藤沢市に「山川菊栄記念館」がほしいとの声が多数ありました。「文化都市ふじさわ」「子育てしやすいふじさわ」らしく、女性の住みやすい未来ある藤沢市になるために、記念館や図書館コレクション等で閲覧できるような場所ができるよう活動につなげたいです。